あらすじ
1ヶ月の間に離婚とアナウンサーからの離職を余儀なくされた
ユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は
ラジオの放送中に受けた男からの電話で、
漢江の橋を爆破すると言われる。
最初はいたずら電話だとして取り合わなかったが、
その電話の直後、漢江の麻浦大橋が爆破。
警察に通報しようとするプロデューサーを止めて、
自身がアナウンサーに復帰するチャンスと
犯人との電話をテレビで生放送することを局長と掛け合う。
再び、爆破テロを起こした犯人から電話があり、
生放送を行いながら犯人と話をするヨンファ。
犯人の要求は、2年前に漢江の橋の工事途中に事故で亡くなった
3人の土木作業員へ大統領が謝罪せよ、というもの。
大統領が謝罪しなければ、テロを続けると言う。
そしてさらに、第2の爆発が起きる・・・
極力ネタバレなしのレビュー
最初のラジオ放送の場面からテロ犯の爆破予告、そして1回めの爆破、と
冒頭から凄いスピード!
息もつかせぬ展開、とはまさにこのこと。
映画全体が1.2倍速くらいで進んでいるような、そんな感じでした。
ほぼ最初から最後まで緊迫したまま。
登場人物の話し方もみんな速い。
ハ・ジョンウの早口なのになめらかなしゃべり方には感心しました。
しかも低音で心地よい。
しかも、この映画の間中ずっとTV局の建物の中にいて、
さらにテレビの放送が始まってからは、
その放送を行っているスタジオの中だけで話は進みます。
そんな閉じられた空間の中で、ひとつ、またひとつと
事が起こっていくにつれ、
ヨンファアナウンサーの心境も変わっていく・・・
その心の動きをごく自然に観る人に感じさせるハ・ジョンウは
さすがだな、と感じました。
テロリストを捕まえようとする警察は、
相変わらず間抜けな存在として描かれています。
(韓国映画の定番)
また、大統領の描き方にしても画一的といってしまえばそれまでなのですが、
2回の爆破で分断されて間に取り残された橋が傾いていく瞬間を
テレビで放送しているというシーンと、この大統領の描き方とが合わさると
現実に起きた事件(船が沈没した事件)が思い出されてしまいました。
(映画自体は、現実の事件より前に製作・公開されたものですが)
ビルの崩壊は9.11ですね・・・
映画のようなことが現実に起きてしまう、というのは
楽しく嬉しいことなら大歓迎だけど、
悲惨なことはこれ以上起きないでほしいものです。
話が逸れましたが。
映画のラストが近づくにつれ、さらにテンポアップし、
畳み掛けるように事が起きていき、
どうまとめるのだろうとドキドキ(若干ワクワク)して見ていたら、
おお!そうくるか!!
観ている者にとってはスッキリする結末と言えるのではないかな、
と思います。
実際私は爽快な気持ちになりました。
ついでに、この映画の中でハ・ジョンウが一番カッコよく見えた瞬間でした。
ただし、韓国映画ならではの後味の悪い部分もちゃんとありましたね・・・。
とにかく、ハ・ジョンウの演技の上手さを再確認できた映画でした。