あらすじ
美術館館長が隠し持つ美術品を盗みだした窃盗団、ポパイ(イ・ジョンジェ)イェニコール(チョン・ジヒョン)ザンパノ(キム・スヒョン)ガム(キム・ヘスク)の元に、マカオ・パク(キム・ユンソク)から仕事の依頼がくる。
その仕事とは、香港のカジノに滞在するティファニーから、世界に1つしかない幻のダイヤモンド「太陽の涙」を盗み出すというもの。
ポパイたちは、直前に仮釈放されたペプシ(キム・ヘス)も含めた5人で香港に赴く。
マカオ・パクとポパイ、ペプシの3人は、かつて同じチームで窃盗をしていた仲間だったが、マカオ・パクが盗んだ金塊を持ち逃げしたためペプシは警察に捕まってしまったのだった。
香港では中国人4人とも合流し、10人で「太陽の涙」を強奪する計画を遂行するのだが、実はこの計画自体マカオ・パクが仕掛けた罠だった。
極力ネタバレなしのレビュー
これぞ極上のエンターテイメント作品!文句なしに面白かったです。
盗みに入る時のチョン・ジヒョンのワイヤーアクションや、キム・ヘスの錠破り、そして後半の息もつかせぬアクションの連続などは香港映画を彷彿とさせるけれど、韓国らしい人の心の機微、情愛といったものもきちんと描かれていています。それでいてとてもスタイリッシュでもあり、とにかくいろんな魅力がつまった映画です。
さらに、ストーリーが一転二転三転・・・観ている人の予想を気持よく裏切ってくれる展開となっています。この考えぬかれた緻密なストーリーには感嘆せざるをえません。
なんといっても、登場人物がみな「泥棒」ですからね(笑)
常に相手を出し抜くことを考えている者、お金に執着する者、目の前の宝石のためには仲間も裏切る者、実は警察官、など、10人それぞれのキャラクター設定もうまいなぁと思います。
そして、この映画が単なるアクション映画にとどまらないのは、キム・ユンソクとキム・ヘス、さらにはイ・ジョンジェの3人の愛憎関係が核としてあるからなのでしょう。
イ・ジョンジェ氏のちょっとチンピラ風(笑)の演技もうまいですね。
できれば、最初は予備知識なしで観てほしい映画ですね。「えっ!そうだったの?!」という素直な驚きを味わってみてほしいです。
そして少し時間をあけて2回目を観ると、前半のマカオ・パクの言動の意味が分かって、また違う見方ができる楽しみがあります。
個人的には、キム・ユンソクのダンディーでスマートな姿(前半)から、命がけでドロドロになりながらウェイ・ホンと闘う姿(後半)まで、全てがかっこよかった~。中でもいちばん痺れたのは、釜山の船の待合所でキム・ヘスを見つけて見つめる表情。惚れ惚れしました。
韓国映画を見たことがない人に「韓国の映画で何かおすすめのものありますか?」と聞かれたら、まずこの映画を紹介したい、そんな映画です。