韓国映画が好きなんです。

「ソウォン/願い」あらすじとレビユー

あらすじ

8歳の少女ソウォン(イ・レ)は、町工場で働く野球好きの父(ソル・ギョング)と、
いつもお金の心配をしながら「ソウォン」という小さなお店を切り盛りする
忙しい母(オム・ジウォン)との3人暮らし。

どこにでもあるような平凡な暮らしを送っていたが、ある雨の日の朝、
ソウォンが一人で登校している途中で酒に酔った男が前に立ちはだかる。

男はソウォンに「傘に入れてくれないか?」と話しかけ・・・

極力ネタバレなしのレビュー

実際に起きた事件を元にしているとのことですが、まだ8歳の女の子に対するこのような事件が
どれほどの深い傷を負わせるものか・・・(心もですが、文字通りの「体の傷」です)

ソウォンが病院に運ばれた後の医師の話が、私にとってはまず非常に衝撃でした。

犯人はわりとすぐに見つかり、逮捕されますが、
またこの犯人が、とにかく人間のクズのようなやつで、
逮捕されてからも憤りが収まりません。

でも、この映画が描きたかったことは、
事件の悲惨さでもなく、犯人への糾弾でもなく、

「家族の再生」

これに尽きます。

工場の仕事が終わって帰宅してからは、野球中継のテレビが気になって娘の話も上の空の父。
いつも忙しくて、娘のことは気にしつつも時間のとれない母。

こういう家庭って、わりとどこにでもあると思います。

そんな中、時には不満を口にしながらも
父と母の状況を理解して、できることは自分でやろうとする娘。

雨の日の登校も、一人ではなく誰かと一緒であれば
いつもどおり学校に着いて、いつもどおりの一日を過ごしていたのだろう、と思う。

誰が悪いわけでもなく(犯人は別として)、みんな一生懸命生きてるんですよね。

ただ、当たり前の一日が、明日も明後日も同じように過ごせるとは限らない。

だからこそ、今当たり前であることがどんなに幸せなことか?
家族をはじめ、大切な人と過ごす1分1秒が、どんなにかけがえのないものか?

そういうことを伝えたい映画なのだと、私は思いました。

また、ソル・ギョングとオム・ジウォン夫婦の良き友人であり理解者である
キム・サンホとラ・ミラン夫婦、そしてその息子君、この3人がまた
泣きたくなるくらいいい人たちなんです。

さらには、車いすの心理療法士キム・ヘスク女史の知的で落ち着いた対応。
自身が傷を負った過去があるからこそ、言葉や態度にも説得力がある。

世の中、悪いことばかりじゃないな、と思わせてくれる、そんな人たちです。

正直言って、前半の事件部分と病院に運ばれてからのソウォンが痛々しくて
もう一度見たいかといったら、今はそういう気にはなれません。

でも、一回は見て良かった・・・

そう思える映画です。

ソル・ギョングさんはもちろん、オム・ジウォンさんの演技も凄かったですし、
なによりもソウォン役のイ・レちゃん、これからがとても楽しみな子役俳優さんです。

満足度 

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