あらすじ
警察庁広域捜査隊の刑事チェ・チョルギ（ファン・ジョンミン）は、警察大学出身の後輩に昇進を追いぬかれ、義弟の行いのせいで内部調査を受ける。
その頃、連続女児殺害事件が世間で騒がれ、大統領までが警察に捜査の激励を行う。
その事件の有力な容疑者を追い詰めたところで、ある刑事が容疑者を射殺してしまう。
警察の威信にかけても、事件の犯人を生きたまま逮捕して裁判にかけなければならない状況の中、警察庁長官はチェ・チョルギを担当刑事に指名する。
チェ・チョルギは、元ヤクザで建設会社社長のチャン・ソック（ユ・ヘジン）を使って、犯人をでっち上げる。
一方、大手建設会社社長と癒着している検事のチュ・ヤン（リュ・スンボム）は、義父のコネで、世間の注目を浴びているこの事件の担当検事をつとめることになる。
チェ・チョルギ、チュ・ヤン、チャン・ソックは、それぞれ自分の欲望と思惑で動き出し、事件は思わぬ展開へ。
極力ネタバレなしのレビュー
刑事も検事も会社社長も、その肩書だけ見れば「立派な」人間であるべきなのに、この映画に出てくる三者は、みな自分の出世や金のために手段を選ばない。
３人とも我を通して、相手を暴力や脅しで屈服させて自分の思い通りに事を進めようとする。
あたかも、人間の「欲」を包み隠さずに表したらこうなんじゃないですか？と言われているようです。
上の人間は、下の人間のことより自分の保身が優先。
むしろ下の人間（一部だけですが）の方が人間的で、自分のリーダーのことを考えています。
そんな風に我を通していけば、どこかで誰かが我慢できなくなった瞬間に爆発するしかない。
チャン・ソック、チェ・チョルギの最後は、ああなるしかなかったと思います。
ただチュ検事だけは、ちょっと甘いな・・・と思いましたが。
３人の結末はある程度予想できるものでしたが、１点、女児殺害事件の犯人だけは意表を突かれましたね。
おそらく、まじめに地道に捜査をしていれば、ちゃんと報われて胸を張って昇進できただろうに・・・。
部下のマ・ドンソクのことがあるからこそ、ファン・ジョンミンの泣くシーンは秀逸。
ファン・ジョンミンはさすがだな～と唸らされたシーンでもありました。
非常に男臭く、後味も良くはないのですが、一度は観ておいて損はない映画です。
満足度 
