あらすじ
母親を亡くし、その母親の再婚相手の義父と暮らす小学生のスリン(シン・ウンス)。
義父の仕事の関係で、ファノ島へ引っ越すことになる。
義父へのわだかまりがあるスリンは、どこか別の世界へ行きたいと、空想をブログに書く日々を過ごしていた。
そんな時、転校先の学校で出会った男の子、ソンミン。
スリンに一目惚れしたソンミンが、スリンの頑なな心を溶かしていく。
ある日、ソンミンが友だちのジェウク、テシクとともに工事現場の爆破を見に行くというのを知り、スリンもついていく。
山の中に入っていくと洞窟があり、その洞窟の中の池に光る卵のようなものがあった。
光る卵のようなものが気になるスリン。
ソンミンは、池に潜ってその光る卵のようなものを取ってくる。
洞窟から出て、スリンは亡き母親からもらった髪留めがないことに気づき、また洞窟に戻る。
洞窟の外では、ソンミン、ジェウク、テシクが卵のようなものを割ろうとしていた・・・
スリンが髪留めを見つけて洞窟から出ようとした時に地震が起こり、必死に洞窟から出たときに残っていたのは、卵が割れた跡だけ。
ソンミン、ジェウク、テシクはどこにもいなかった。
極力ネタバレなしのレビュー
映画の途中から、ずっと涙が止まらず泣きながら観ました。
序盤は、ソンミンとスリンの初恋のストーリー。
お互いに寂しい境遇、でも自然体で前向きなソンミンにだんだん心を開いていくスリンが可愛らしく、スリンより背が低くて「身長185cmになりたい」というソンミンが可笑しくて、初めてスリンが笑顔を見せたシーンでは観ている自分も笑顔になりました。
静かに心を通わせていく2人。
でも、洞窟での事件の後に状況は一変します。
スリンの話を誰も信じてくれない。
大人になったソンミンを、スリン以外の人は誰もソンミンだと分からずソンミンだとは信じてくれない。
それどころか、大人になったソンミンは誘拐犯として警察から追われるようになる。
状況を考えれば周りの人が信じないのは当然だし、警察がそう考えるのも当然なのだけれど、スリンとソンミンの子どもならではの純粋なお互いへの気持ちというのがとにかく切なくて切なくてボロボロ泣けてきました。
映画全体で「目」のアップがよく使われているのもとても印象的でした。
そして、大人になったソンミン役のカン・ドンウォンは、「オオカミの誘惑」のテソンを彷彿とさせる美しさ。
こんな美しいカン・ドンウォンをまた観れるとは・・・という意味でも見逃せません。
とても美しく、幻想的で切ない映画です。