あらすじ
ヤクザのボス、アン・サング（イ・ビョンホン）は、韓国の財閥「ミレ自動車」の裏金の証拠となる帳簿を奪い、義兄弟というほど信頼している祖国新報のイ・ガンヒ（ペク・ユンシク）に渡す。
だがイ・ガンヒは、ミレ自動車の会長と、ミレ自動車から多額の政治資金を受け取っている次期大統領候補のチャン・ピルと繋がっており、アン・サングは帳簿を奪ったことがバレて右手を切られてしまう。
一方、同じくミレ自動車の裏帳簿を手に入れようとしていた検事イ・ジャンフン（チョ・スンウ）は、アン・サングに先を越されて左遷されるが、帳簿を奪ったのがアン・サングであることを突き止め、アン・サングを見張り続ける。
そしてイ・ジャンフンがアン・サングに接触し、イ・ガンヒ、ミレ自動車会長、チャン・ピルの３者を告発すべく話を持ちかける。
極力ネタバレなしのレビュー
このところの韓国の情勢を見ていると、この映画に出てくる財閥や政治家の非道さは、誇張でもなんでもないんだろうなと思えます。非常に生々しいです。
財閥、政治家、そしてメディア。
この映画では新聞社のイ・ガンヒが財閥と政治家の間をつなぐフィクサーのような存在ですが、現実でもメディアが世論を作ることによって、ある人の悪事は一切報道されず隠され、ある人の悪事は隠されていたものが突然世に出てあっという間にその地位から引きずり落とされる、という結果になっていることを思うと、むしろメディアというものの恐ろしさをひしひしと感じます。
余談はここまでとして・・・
イ・ビョンホンが、これまで見た映画の中でいちばんこの役が「上手い！」と思いました。
「王になった男」でも、こんなに演技のできる役者さんだったっけ？と見直したのですが、さらにこの映画ではキャラが立っていて「憎めないヤクザ」という表現がピッタリです。
チョ・スンウは、コネがなくて出世の道が閉ざされている検事の微妙に屈折した感じを、すごくよく醸し出していたと思います。
私はまったくあらすじも読まず、予告も見ずに本編を見たので、最後までかなりハラハラしました。
結末を知ってから見るのと、知らずに見るのとでは、おそらく感じ方がかなり違うだろうなと思います。
まだ簡単なあらすじしか知らないのであれば、それ以上の予備知識はなしで見るのがおすすめですね。
R15ですので痛いシーンやら「あら～」なシーンやら(笑)もあります。それが苦手な方はご注意を。
満足度 
